小説家には各々メインバンクならぬ「メイン文庫」があり、
複数出ている場合はたいてい「メイン文庫」のほうが売れます。
1人で何作も収録されている作家は出版社にとっては売り出しやすいから、ですね。
なので、
その作家と関係が薄かった出版社がようやく連載や書下ろしをゲットし、
単行本ひいては悲願の文庫を刊行したとしても、
やがてその作家のメイン文庫から2次文庫が刊行され、
結局元の文庫は絶版、メイン文庫のほうが長く売れる、というケースが多いのです。
まさに、弱肉強食の世界。
逆に、2次、3次……となるごとに、どんどんマイナーな文庫になっていく作家もいます。
(B)で書きましたが、
作家は新原稿を書かずに、そして出版社は新原稿を取らずに、お手軽に新刊を刊行でき、
新刊となればとりあえず2週間くらいは書店で平積みされて多少は売れるので、
これを繰り返しているというわけ。
しかし、こういう作家は棚差しやフェアが強い大手の文庫ブランドにとっては、
「売り出しにくい」と敬遠され、やがてそれらの作品は絶版になってしまいます。
多作でかつ著名な作家の文庫が意外と入手しにくかったりするのは、
こういうケースがほとんどです。
今日で2006年の記事はおしまいです。
お読みいただきありがとうございました。
次は1月5日の予定です。
それでは、よいお年を……